印刷業の廃棄物|廃インキ・洗浄液・損紙・刷版の分け方と処理
印刷会社や印刷工場では、紙のほかに、インキ、洗浄に使う溶剤、刷版(印刷用の版)、現像液など、性質の違う廃棄物が出ます。中には特別な扱いが必要なものもあり、「全部まとめて産廃」では済みません。この記事では、印刷業で出る主な廃棄物の区分と、処理の注意点を整理します。
- 印刷業から出る紙くずは産業廃棄物になる(業種指定のある品目)
- 廃インキ・洗浄に使った溶剤は廃油などに当たり、引火性が強いものは特別管理産業廃棄物になることがある
- アルミの刷版は金属くずとして資源化・有価になりやすい
- 現像液・定着液は廃アルカリ・廃酸として扱う
- ウエス(拭き取り布)は付いた溶剤の扱いに注意
印刷業の紙くずは産業廃棄物
紙くずは、業種によって産業廃棄物か事業系一般廃棄物かが変わる品目です。出版・印刷業や製紙業などから出る紙くずは産業廃棄物として扱われます(産業廃棄物の種類一覧/産業廃棄物と一般廃棄物の違い)。
ただし、損紙(印刷のミスで出た紙)や裁ち落としの紙は、きれいに分ければ古紙として資源化されやすい品目です。インキの多い紙、ラミネート加工された紙、のり付きの紙などは、資源化しにくくなるので分けておくと扱いやすくなります(段ボール・古紙のリサイクル)。
主な廃棄物と区分
印刷業で出る主な廃棄物
損紙・裁ち落とし → 紙くず(産業廃棄物)。分ければ古紙として資源化しやすい
廃インキ → 廃油など。性状によって区分が変わる
洗浄に使った溶剤 → 廃油。引火性が強いものは特別管理産業廃棄物になることがある
アルミの刷版 → 金属くず。資源として買い取られることが多い
現像液・定着液 → 廃アルカリ・廃酸
インキ缶・溶剤の缶 → 金属くず。中身を残さないことが前提
注意が必要な品目
洗浄に使った溶剤
印刷機の洗浄に使う溶剤は、引火性が強いことがあります。引火点が低い廃油は特別管理産業廃棄物になり、保管・委託のルールが厳しくなります(特別管理産業廃棄物とは)。使っている溶剤のSDS(安全データシート)を委託先に伝えて、区分を確認してください(廃棄物データシート(WDS))。
現像液・定着液
刷版の製版工程で出る現像液・定着液は、液体の廃棄物として扱います。流しに捨てることはできません(廃液の処理)。
溶剤の付いたウエス
インキや溶剤を拭き取ったウエス(布)は、付いている溶剤によって扱いが変わります。また、溶剤を含んだ布は自然に発熱することがあるので、フタ付きの金属容器に入れて保管するなど、火災の予防も大切です。
ここは要チェック
印刷業では、お客様の原稿や刷り出しなど、個人情報や機密情報を含む紙が損紙に混ざります。古紙として資源化する場合も、情報が漏れない処理方法(溶解処理など)を選び、処理の証明を受け取っておくと安心です(機密文書の廃棄)。
委託と保管のポイント
- 品目が多いので、紙・インキ・溶剤・刷版・現像液ごとに分けて保管する(産業廃棄物の保管基準)
- 委託先の許可に、それぞれの品目(特管が出るなら特管の許可も)が含まれているか確認する(処理業者を選ぶ手順)
- 刷版や缶など有価で引き取られるものは、処理費と合わせて相談する(有価物と廃棄物の境界)
- 契約書・マニフェストは品目ごとに正しく記載する(委託契約書のポイント/マニフェストの書き方)
よくある質問(FAQ)
Q. 小さな印刷会社でも紙くずは産業廃棄物ですか?
A. 業種が印刷業なら、規模にかかわらず産業廃棄物として扱われます。
Q. アルミの刷版は売れますか?
A. アルミとして資源価値があるため、買い取りになることが多い品目です。インキの付着や量によって条件が変わります(金属くず・スクラップの扱い)。
Q. 余ったインキはどうすればよいですか?
A. 固まったものも液体のものも、性状を委託先に伝えて処理します。種類によって区分が変わるため、缶のラベルやSDSを用意しておくとスムーズです。
Q. デジタル印刷機のトナーカートリッジは?
A. メーカーの回収プログラムがある場合は、それを使うのが一般的です。ない場合は廃プラスチック類などとして処理します。
まとめ: 紙・液体・金属で分けて考える
印刷業の廃棄物は、紙(損紙・裁ち落とし)、液体(インキ・溶剤・現像液)、金属(刷版・缶)の3つに分けて考えると整理しやすくなります。特に洗浄に使った溶剤は特別管理産業廃棄物になることがあるので、SDSをもとに区分を確認してください。紙と金属は分ければ資源化しやすく、費用面でも有利です。
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