産業廃棄物の収集運搬とは|排出事業者が知っておきたい許可・委託・運び方のルール
産業廃棄物を事業所から処理施設まで運ぶことを「収集運搬」といいます。多くの事業者は収集運搬を業者に任せていますが、業者の許可が合っているか、自社で運ぶときに何が必要かを知らないと、知らないうちに違反になることがあります。この記事では、排出事業者の立場から、産業廃棄物の収集運搬の基本を整理します。許可を取りたい業者向けの内容は産業廃棄物収集運搬業許可の取り方をご覧ください。
- 他人の産業廃棄物を運ぶには、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要
- 許可は、積む場所と降ろす場所がある都道府県のものが必要
- 委託するときは、品目・エリア・期限を許可証で確認し、書面で契約する
- 排出事業者が自社の廃棄物を自分で運ぶときは、許可は不要だが運搬のルールを守る
- 運搬車両には表示と書類の備え付けが必要
収集運搬に許可が必要な理由
産業廃棄物は、運ぶ途中で飛び散ったり、こぼれたり、不法投棄されたりするおそれがあります。そのため、他人の産業廃棄物を運ぶことを仕事にするには、都道府県知事などの許可が必要です。排出事業者は、この許可を持つ業者に委託しなければなりません(排出事業者責任とは)。
委託するときに確認すること
1. 許可の範囲
許可証で見る3つのポイント
品目 → 自社が出す産業廃棄物の種類が含まれているか
エリア → 積む場所(自社の事業所)と降ろす場所(処理施設)がある都道府県の許可があるか
期限 → 許可の有効期限が切れていないか
たとえば愛知県の事業所から岐阜県の処理施設に運ぶなら、愛知県と岐阜県の両方の許可が必要です。特別管理産業廃棄物を運ぶ場合は、特別管理産業廃棄物の収集運搬業の許可が別に必要です(特別管理産業廃棄物とは)。
2. 書面での契約
収集運搬業者とは、処分業者とは別に、書面で委託契約を結びます。運搬の区間、品目、数量、料金などを書き、許可証の写しを添付します(委託契約書のポイント)。
3. マニフェスト
廃棄物を引き渡すときは、マニフェストを交付します。運搬が終わると、収集運搬業者からB2票(電子なら運搬終了報告)が返ってきます(マニフェスト7枚の票の役割)。
運搬のルール(業者・排出事業者共通)
- 飛散・流出させない: 荷台をシートで覆う、液体は密閉容器に入れるなど
- 車両に表示する: 産業廃棄物を運んでいることや、事業者名などを車体に表示する
- 書類を備え付ける: 運搬中は、許可証の写しやマニフェストなど決められた書類を車に積んでおく
- 積替えや保管のルール: 途中で積み替えたり保管したりする場合は、別の基準と許可が関わる
自社で運ぶ場合
排出事業者が自社の産業廃棄物を自分で運ぶ場合は、収集運搬業の許可は不要です。ただし、上の運搬のルール(飛散防止、車両の表示、書類の備え付け)は守る必要があります。処分場に持ち込むときの流れは産業廃棄物の持ち込み処分を参照してください。
ここは要チェック
よくあるのが、取引先や協力会社の廃棄物を「ついでに」自社のトラックで運んでしまうケースです。他社の産業廃棄物を運ぶのは、無償でも許可のない収集運搬になりえます。建設工事では下請業者が運搬する場合の取り扱いも決まっているので、慣習で判断しないでください(建設工事の廃棄物は誰が出したことになるのか)。
よくある質問(FAQ)
Q. 収集運搬と処分を同じ業者に頼めますか?
A. その業者が収集運搬と処分の両方の許可を持っていれば頼めます。契約書は、それぞれの内容が書かれていれば1つにまとめることもできます。
Q. 許可証の写しはいつ確認すればよいですか?
A. 契約のときに受け取り、許可の更新のたびに新しい写しを受け取って差し替えてください。期限切れの許可証のまま契約が続いているケースがよくあります。
Q. 一般廃棄物の許可だけの業者に産業廃棄物を頼めますか?
A. 頼めません。一般廃棄物と産業廃棄物は許可が別です(一般廃棄物収集運搬許可とは)。
Q. 運搬費はどう決まりますか?
A. 車両の大きさ、回収の回数、距離、量などで決まります(運搬距離と処理費の関係/処理費用の相場)。
まとめ: 許可の「品目・エリア・期限」を確認する
産業廃棄物の収集運搬を業者に任せるときは、許可証で品目・エリア・期限を確認し、書面で契約し、マニフェストを交付することが基本です。自社で運ぶときも、飛散防止や車両の表示などのルールは守りましょう。
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