塗装業の廃棄物|塗料かす・シンナー・空き缶の正しい処分方法
工場の塗装ライン、自動車の板金塗装、建物の塗装工事——塗装の現場から出る廃棄物は、引火しやすいものや固まると扱いにくいものが多く、処分の仕方を間違えると火災や違反につながります。この記事では、塗装業で出る主な廃棄物の区分と、保管・処分の注意点を整理します。
- 使い終わったシンナー・溶剤は廃油。引火性が強いものは特別管理産業廃棄物になることがある
- 塗料かすやブースの汚泥は、性状によって汚泥・廃油・廃プラスチック類などに分かれる
- 塗料の空き缶は、中身を残さなければ金属くずとして扱える
- マスキング材や養生シートは廃プラスチック類が中心
- 建物の塗装工事のごみは、原則として工事の元請業者が排出事業者
塗装業で出る主な廃棄物
主な品目と区分
使い終わったシンナー・洗浄溶剤 → 廃油。引火性が強いものは特管
余った塗料・固まった塗料 → 性状により廃油・廃プラスチック類など
塗装ブースの汚泥(水洗ブースのスラッジ) → 汚泥
塗料・溶剤の空き缶 → 金属くず(中身を残さない)
ブースのフィルター → 付着した塗料の量で扱いが変わる
マスキングテープ・養生シート → 廃プラスチック類・紙くずなど
品目の全体像は産業廃棄物の種類一覧、廃油の扱いは廃油・切削油の処分、汚泥は汚泥の種類別の処理を参照してください。
シンナー・溶剤は特に注意
シンナーや洗浄溶剤は、引火点が低いと特別管理産業廃棄物(引火性廃油)になり、保管・委託・マニフェストのルールが厳しくなります(特別管理産業廃棄物とは)。特管を出す事業場には、特別管理産業廃棄物管理責任者を置く必要もあります(管理責任者とは)。
- 密閉できる金属製の容器で保管する
- 火気から離し、換気のよい場所に置く
- 種類の違う溶剤や塗料を混ぜない
- 使っている溶剤のSDSを委託先に伝える(廃棄物データシート(WDS))
使用済みシンナーは、蒸留して再生する装置やサービスもあります。量が多い事業所は、処分費と比べて検討する価値があります。
塗料の空き缶の出し方
塗料や溶剤の空き缶は、中身をしっかり使い切るか、残りを取り除いてから出すのが基本です。中身が残った缶は金属くずとして受け入れてもらえないことがあります。缶の中で固まった塗料は、缶ごと別の扱いになる場合もあるので、委託先に確認してください(金属くず・スクラップの扱い)。
ここは要チェック
塗料やシンナーを拭いたウエス(布)は、積み重ねておくと自然に発熱して発火することがあります。特に油性の塗料が付いた布は注意が必要です。水を入れたフタ付きの金属缶に入れるなど、保管の仕方を決めておいてください。
建物の塗装工事の場合
建物の塗装工事で出る廃棄物(古い塗膜のかす、養生材、空き缶など)は、原則として工事を請け負った元請業者が排出事業者になります(建設工事の廃棄物は誰が出したことになるのか)。古い建物の外壁や屋根の塗膜には、石綿(アスベスト)や鉛を含むものがあるため、剥がす工事では事前の調査が欠かせません(アスベストを含む建材一覧)。
よくある質問(FAQ)
Q. 余った塗料を固めて燃えるごみに出せますか?
A. 事業で使った塗料は産業廃棄物です。固めても家庭ごみや事業系一般廃棄物としては出せません。
Q. 少量のシンナーでも特別管理産業廃棄物になりますか?
A. 量ではなく性状(引火点など)で決まります。少量でも該当すれば特管として扱います。
Q. 自動車板金の塗装ごみはどう扱いますか?
A. 品目の考え方は同じです。整備工場の廃棄物は自動車整備工場の廃棄物も参考になります。
Q. スプレー缶はどうすればよいですか?
A. 中身とガスを使い切ってから出すのが基本です。残っていると収集や処理の途中で事故の原因になります。扱いは委託先に確認してください。
まとめ: 「引火性」と「混ぜない」を最優先に
塗装業の廃棄物は、シンナー・溶剤の引火性と、性質の違う廃棄物を混ぜないことが最大のポイントです。SDSで性状を確認して区分を決め、密閉・火気厳禁で保管し、許可を持つ業者に委託する——この流れを守れば、火災と違反の両方を防げます。
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