アスベストの種類と見分け方|レベル1〜3の分類と現場での判断

目次

アスベストの種類と見分け方|レベル1〜3の分類と現場での判断

アスベスト(石綿)は、鉱物としての種類と、現場での危険度による分類(レベル1〜3)という2つの切り口があります。実務で使うのはほぼ後者ですが、「見た目では判別できない」という前提を共有できていないと、現場の判断が甘くなります。この記事では、種類とレベルの整理、そして現場でどう判断するかをまとめます。

  • 実務ではレベル1〜3(発じん性による分類)で考える
  • 鉱物としては6種類。うち3種類が建材に多く使われた
  • 含有率0.1%を超えるかどうかが規制の分かれ目
  • 目視で断定はできない。最終的には分析による
  • 解体・改修前の事前調査は有資格者が行う

レベル1〜3の分類

アスベストのレベルは、発じん性(粉じんの飛びやすさ)による区分です。危険度と、必要な対策の厳しさがこれで決まります。

レベル1: 発じん性が著しく高い

  • 該当する建材: 石綿含有吹付け材(吹付けアスベスト、石綿含有吹付けロックウール等)
  • 使われた場所: 鉄骨の耐火被覆、機械室・駐車場の天井や壁の吸音・断熱
  • 作業: 隔離養生、負圧除じん装置、集じん・排気装置が必要。作業前の届出も要る

レベル2: 発じん性が高い

  • 該当する建材: 石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材(煙突用断熱材、屋根用折板断熱材等)
  • 使われた場所: 配管の保温、ボイラー、煙突
  • 作業: 隔離・湿潤化などの飛散防止措置が必要

レベル3: 発じん性が比較的低い

  • 該当する建材: 成形板全般(スレート波板、けい酸カルシウム板第1種、Pタイル(ビニル床タイル)、天井材、外壁材、石綿セメント管など)
  • 使われた場所: 屋根、外壁、内装、床、配管
  • 作業: 原則として湿潤化のうえ、割らずに手ばらしで撤去する

レベル1・2の除去で出る廃棄物は廃石綿等(特別管理産業廃棄物)、レベル3の建材は石綿含有産業廃棄物として扱われるのが基本です(石綿含有産業廃棄物とは)。

レベルは「危険度の順位」ではなく「作業の厳しさ」

レベル3だから安全、という意味ではありません。割ったり破砕したりすれば繊維は飛散します。レベルは、通常の状態でどれだけ飛びやすいかを示す指標だと理解してください。

鉱物としての6種類

アスベストは天然の繊維状鉱物で、次の6種類が規制対象です。

  • クリソタイル(白石綿): 国内で使われた量の大部分を占める。蛇紋石系
  • アモサイト(茶石綿): 保温材・断熱材に多い。角閃石系
  • クロシドライト(青石綿): 発がん性が特に高いとされる。角閃石系
  • アンソフィライト
  • トレモライト
  • アクチノライト

後ろの3種類は日本での使用はごくわずかですが、規制の対象には含まれます。色の名前がついていますが、建材の見た目の色で判別できるわけではありません

現場での判断: 目視では決められない

建築年代からの推定

アスベスト含有建材は2006年9月に原則として全面禁止となりました。したがって、

  • 2006年9月以降の着工: 含有している可能性は低い(ただし在庫材の使用もあり得る)
  • それ以前: 含有している可能性がある。特に1970〜1990年代の建物は要注意

年代はあくまで目安です。改修を重ねている建物では、新旧の建材が混在します。

建材の種類からの推定

スレート波板、ケイカル板、Pタイル、石綿セメント管などは、含有していた代表的な建材です。ただし同じ形状でも無石綿品(ノンアスベスト)が存在するため、形だけでは断定できません

製品名・メーカー情報からの確認

建材の裏面に刻印された製品名や記号から、データベースで含有の有無を確認できることがあります。設計図書や仕様書が残っていれば、そこから追える場合もあります。

最終的には分析

確定させるには、試料を採取して定性分析(必要に応じて定量分析)を行います。含有率が0.1%を超えるかどうかが判断の基準です。

ここは要チェック

分析にはコストと日数がかかるため、「含有しているものとみなして」処理するという選択肢もあります。処理費は上がりますが、判断を誤って飛散させるリスクは避けられます。工期とコストを比べて選んでください。

事前調査は有資格者が行う

解体・改修工事の前には、石綿の有無を調べる事前調査が義務づけられています。近年の法改正により、

  • 調査は建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ者が行う
  • 一定規模以上の工事では、調査結果を電子システムで報告する
  • 調査結果は現場に掲示し、記録を保存する

という運用になっています。「解体業者に任せているから大丈夫」と考えず、調査が有資格者によって行われているかを発注者側でも確認してください。

アスベストが見つかったあとの流れ

  1. レベルを判定し、必要な作業方法を決める
  2. レベル1・2なら作業開始前の届出を行う
  3. 飛散防止措置を講じて除去する
  4. 廃石綿等か石綿含有産業廃棄物かに応じて梱包・分別する
  5. 対応できる許可業者に委託する(アスベスト(石綿)廃棄物の処理方法)

解体工事全体の手続きは建設リサイクル法の対象工事と届出、廃棄物の排出事業者が誰になるかは解体工事の廃棄物は誰が出したことになるのかをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. アスベストは見た目で分かりますか?

A. 分かりません。吹付け材のように「疑わしい見た目」はありますが、含有の有無は分析でしか確定できません。

Q. レベル3なら届出は不要ですか?

A. 作業の届出は原則としてレベル1・2が対象ですが、事前調査と結果の報告は規模要件に応じて必要です。無条件に不要ではありません。

Q. 白石綿なら安全ですか?

A. いいえ。クリソタイル(白石綿)も規制対象で、健康被害の原因になります。種類による安全なアスベストは存在しません。

Q. 含有率0.1%以下なら扱いは自由ですか?

A. 石綿含有産業廃棄物としての規制対象からは外れますが、分析結果の記録は残しておくべきです。

Q. Pタイルにもアスベストが入っていますか?

A. 古いビニル床タイルには含有品があります。剥がす作業で割れやすいため、レベル3として湿潤化のうえ丁寧に撤去します(アスベストを含む建材一覧)。

Q. 分析はどこに頼めばいいですか?

A. 石綿分析を行う分析機関、または調査から一括で請け負う専門業者に相談してください。解体業者経由で手配できることもあります。

まとめ: レベルで作業が決まり、区分で処理が決まる

現場で使うのはレベル1〜3の分類です。レベルによって作業方法と届出の要否が決まり、そこから出た廃棄物の区分(廃石綿等か石綿含有産業廃棄物か)によって処理ルートが決まります。

そして最も大事なのは、目視では判断できないという前提を全員で共有することです。疑わしい建材が出たら作業を止めて確認する——この習慣があるかどうかで、リスクは大きく変わります。


豊田市周辺で事業系ごみ・産業廃棄物の処理にお困りならご相談ください。

排出事業者として必要な契約・マニフェスト・収集手配まで一括でサポートします。

まずは電話(0565-50-4007)・メールで無料相談。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次